介護はとても尊い行為である反面、そのハードさから多くの方が言いしれぬ疲労を感じているようです。
精神的にも肉体的にももう限界!となってしまった際、どのように対処すれば良いのでしょうか?
今回は、特に認知症患者の介護を行う人に向けた、“介護疲れ”の対処法についてご紹介します。
心理的な負担を減らすためのに
まず大切なのは、介護の全てを自分一人で抱え込まないことです。
「自分がなんとかしなくては」と気張っていては、
いつまでも介護疲れは改善しませんし、むしろ悪化することも考えられます。
そのため、心が疲れてしまったという時にはすぐに身近な人へ相談をするようにしましょう。
人は、自分が抱えている問題を誰かに話し、理解をしてもらうことで心を軽くすることができます。
また、より具体的なサポートを家族や友人に頼むことも重要です。
もちろん、毎日付きっきりで介護を手伝ってもらうのは難しいもの。
そこで、「日曜の午後だけ、介護を手伝ってくれませんか?」という具合に、
限定的なお願いをするよう心がけてください。
あなたにとっても負担が減りますし、
お願いされた相手にとってもハードルが下がるため、快く引き受けてくれるでしょう。
特に認知症患者の介護はハードな毎日が続きます。
要介護者の昼夜逆転生活に付き合っていると、
介護をするあなた自身も慢性的な睡眠不足になってしまいかねません。
そうなると、心理的なストレスは増すばかり。
爆発する前に、頼れる人を探すようにしてください。
肉体的な疲れへの対処法
認知症患者に限らずですが、介護は非常に力を使う行為です。
入浴やトイレといったサポートは、それだけで体力が奪われていくことでしょう。
肉体的な疲労が溜まれば、体が言うことを聞かなくなるのはもちろん、
前述した精神的なストレスにもつながってしまいます。
そこで覚えていただきたいのがボディメカニクスのテクニックです。
基本になるのは、まず要介護者にできるだけ近づき、
支持基底面(体の支える床との接地面を結んだ範囲)を広くとること。
これにより、重心が安定するので少ない力で相手を支えることができます。
また、家の中の物をできるだけ減らして、空間を広く使うことも重要です。
要介護者の転倒や接触によるケガを防げる他、
介護者のサポートも楽になる、というメリットがあります。
その他、要介護者の部屋を玄関近くに移動するのも効果的です。
サポートしながらの外出が楽になります。
ただし、認知症患者の場合には突然の徘徊といった症状が見られるケースが多いです。
そのため、側にいられない時にはカギを閉めたり、
ドアに鈴を付けたりといった工夫をしてください。