アルツハイマー型の認知症と診断されると、抗認知症薬が処方されます。
これはどのような作用があり、効果があるのかをここでわかりやすくご説明します。
アルツハイマー型の認知症の治療薬は現在では4種類の薬があります。
そもそもアルツハイマー病の治療薬開発は、原因がよくわからなかったため薬の開発もかなり遅れてスタートしました。
実際1993年に米国で承認されたタクリンという薬は、今現在使われている抗認知症薬の元になっています。
しかし元にはなっていましたが日本では肝臓へのダメージが大きいという理由で認可されず、その代わり1999年にエーザイからドネペジルという薬が認可されました。
そのくらい、最近のことなのです。
ドネペジルという抗認知症薬とは
商品名:アリセプト
ドネペジルとは商品名アリセプトという薬で、
日本で認可されてから16年になった今は特許が切れて多くのジェネリックが出ています。
そのため価格も比較的安価になりました。
神経伝達物質アセチルコリンに作用
このドネペジルは記憶に関する神経伝達物質アセチルコリンを脳内に留めて
記憶力を回復させると言われている薬です。
メカニズムは神経細胞を連結するシナプスに、アセチルコリンが放出されるのですが、
余計なアセチルコリンがあると排除しようとする動きが始まります。
例えばアルツハイマー症の認知症の方はそのアセチルコリンの量が少ない上、
これらのアセチルコリンの働きが阻害されます。
そこにドネベジルはアセチルコリンの働きを良くしてくれるのです。
今発売されているリバスチグミンやガランタミンは同じような作用のある薬です。
アルツハイマー病に抑制効果、副作用も
このドネペジルはアルツハイマー型の進行抑制を行います。
だいたい長い方では1年ほど認知症を遅らせる効果があると言われています。
色々な研究結果がありますが、初期の方が効果が出やすく持続するので、
ドネペジルはアルツハイマー型の早期治療では第一選択薬とされることが多いようです。
しかし興奮系の薬なので患者さんが怒りっぽくなる(易怒)傾向があります。
ほかにも副作用として「食欲減退・悪心・嘔吐・下痢」等の胃腸障害が起きることがあるようです。
薬の効果が緩やかなので飲み忘れに注意
アルツハイマー型と診断された場合は、抗認知症薬が処方されます。
色々な薬が現在では出ていますが、どれも同じように劇的に効く訳ではありません。
だいたいが長期間服用するようになっています。
そのため、飲み忘れるということが起きます。
そもそもアルツハイマー型認知症、認知症の方は物忘れという症状が起きているので、
本人に忘れないよう飲ませるのは本人の責任ではできません。
その場合は同居のご家族や介護されている方にお願いするしかありません。
服用は同居のご家族や介護の方を苦しめるものであってはいけないので、
服用方法や時間帯をかかりつけの医師と相談すると良いでしょう。