「両親が要介護になってしまい、自分が面倒を見なくてはいけなくなった……
しかし、仕事を辞めるのは将来的なキャリアにも響くので、どうしたらよいか分からない……」
こうしたお悩みをお持ちの方は、介護休業制度の利用を検討してみましょう。
仕事との両立を目指す方に、心強い制度です。
制度の概要
介護休業制度とは、同制度が企業に対し、介護を行う従業員に対して以下のような支援を義務づけるものです。
・介護休業
・介護休暇
・介護のための短時間勤務制度等の措置
・時間外労働、深夜業の制限
・転勤の配慮
・不利益取り扱いの禁止
この中の介護休業は、介護のために通算93日までの休みがもらえるものです。
この期間を利用し、初期段階で仕事との両立を準備する、といったことができます。
なお、こちらは原則2週間前までに申請を行う必要があるので注意をしましょう。
介護休暇については、介護の必要が出た日に休むことができるもので、一日単位年5日が与えられます。
なお、対象者が2名以上になった場合は10日に増えます。
病院への付き添いや、医師やケアマネージャーとの面談、役所手続きといった用事にも利用が可能です。
その他、就業時間や転勤への配慮、
さらに制度を利用した従業員へ不利益な取り扱いを禁じる
といったことが定められています。
たとえば、夕方になると母親が興奮状態になりやすいので、
終業時間を30分繰り上げる、といった利用が可能になります。
制度を上手に活用するために
介護休業制度は、家族に要介護者がいる方には非常にありがたい制度です。
しかし、突然この制度を利用すると業務が滞り、職場に迷惑がかかってしまうかもしれません。
周囲の理解や強力が得られない場合、人間関係や復帰後の仕事に悪影響が及ぶことも考えられるでしょう。
そのため、事態に直面した場合には正しい行動を起こすことが重要となります。
ひとつは職場への相談です。
もしも社内に相談窓口がある場合は、現状を率直に伝えてください。
そのうえで適切なアドバイスがもらえたら、職場の両立支援制度の内容について確認を行い、手続きを行いましょう。
次に上司との相談です。
自分の置かれている状況をはっきりと伝え、
今後どのように働いていくべきかを話し合ってください。
その後、職場内の理解を求めながら業務の調整を行います。
いつ介護休業・休暇を取ってもいいよう、作業効率化や業務内容の整理を行っておきましょう。
実際に支援制度を利用している間は、上司や人事へ状況の報告を継続的に行ってください。
経過や状況を伝えながら、困っていることは小まめに相談するようにしましょう。
そして何より、あなた自身が体調を崩さないよう注意し、
悩みは一人で抱え込まないことが、仕事と介護を両立するための基本となります。