この病気はまず、大きく二つに分けられます。
脳梗塞などの脳血管障害から起こる脳血管性とアルツハイマー型です。
原因となる疾患には様々なものがありますが、この病気では約8割が脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症で占められます。
これら両方がミックスしたタイプもあります。
以前は血圧と関係ないとされてきましたが、最近関係があることがだんだんわかってきました。
血管障害(脳卒中)を引き起こす高血圧は、認知症のリスクになります。
そのため、血圧が高めの方は認知症になる可能性があると言えます。
ではどうして血圧に関係あるのか、次のコラムで解説します。
目次
高血圧だと認知症になる確率が高くなる?
脳卒中が脳血管性認知症の原因に
脳血管性認知症では、脳卒中などで脳の血管が破れたり詰まったりして、
脳に障害が起きることが影響して発症します。
アルツハイマー型とは異なります。
以前は患者は血圧が低いと言われていましたが、
実は中年期に血圧が高い人ほど高齢者になってから認知機能が低下しやすいことがわかってきました。
高血圧を放置しない
そして高血圧の治療をきちんとしていれば認知症の発症が少なくなることもわかっています。
脳卒中(いわゆる脳梗塞や脳出血)が起こると、徐々に発症して進行していきます。
もちろん大きな脳卒中が起きて広範囲にわたった場合、
発作が起きてすぐ罹患することもあります。
また小さな脳卒中を繰り返して、気がつかないうちに認知症が進んでしまうこともあります。
これらのことから高血圧は脳卒中の原因の一つなので、
高血圧の場合は脳卒中の発作が起きやすく、
そして同時に認知症が進んでしまうことがあるのです。
だから高血圧を放置すると発症しやすく、高血圧気味の方やすでに高血圧の方は、
予防や治療をきちんとしたほうがいいのです。
高血圧の治療でアルツハイマー型認知症も減少
また高血圧治療薬で治療した場合、
脳血管性認知症だけでなくアルツハイマー型も減少するという研究結果もあります。
いずれにしても脳卒中は脳卒中の発作状以外にも認知症という症状も同時に起こすことがわかっています。
血圧がどのくらいだとリスクがあるのでしょうか?
130/85mmHg未満を目標に
血圧の目安としては、
65歳未満できちんと病院などで検査した時に130/85mmHg以上、
65歳以上の方は140/90mmHg以上の場合は注意が必要です。
もちろんこのほかにも糖尿病や腎臓病がある方、
心筋梗塞を起こしたことがある方は130/80mmHg未満を目標にしましょう。
これらを超えてくるようであれば、適切な治療が必要です。
仮面高血圧に注意
また最近は仮面高血圧といって、
病院では正常値でも家で測ると血圧が高いことがあり、
このような場合も脳卒中のリスクが高まります。
特に朝起きてからの血圧が重要なので、
ご自身で定期的に同じ時間帯に測定してみるといいでしょう。